トライベッカ・フィルム・フェスティバルでトルコの女性監督が受賞

OYUN



ニューヨーク、トライベッカ地区を舞台に開催され、今年で5回目を迎えるトライベッカ・フィルム・フェスティバル(Tribeca Film Festival)*1で、この度トルコ人女性監督ペリン・エスメル(Pelin Esmer)が最優秀ドキュメンタリー新人監督賞を受賞した。


彼女の作品『OYUN/The Play(芝居)』(2005年、70分)は、トルコ南部メルスィン地方、トロス山脈の中ほどにある村*2で生活する9人の女性たちの物語である。
この女性たちの一日は、畑で、あるいは建築現場で、家で、いつ終わるとも知れない労働に従事しながら終わる。
彼女たちは、日常生活に追われながらも、自分たちのライフストーリーを題材にした脚本を書き、それを舞台で演じようと試みる。女性であるがゆえの問題を反映させた『Kadının Feryadı(女の叫び声)』という芝居を。


役づくりの過程で、彼女たちの知らない面が浮かび上がってくる。
ペリン・エスメルのカメラは、彼女たちの創造的な舞台が芝居を作り上げていく様を静かに映し出す。
公演を終えたとき、9人の女性たちには、かすかながら意味深い変化が訪れていた・・・・。


☆トライベッカ・フィルム・フェスティバル公式HP
☆『OYUN/The Play(芝居)』予告編
☆『OYUN(芝居)』トルコ語版公式HP



監督:ペリン・エスメル(Pelin Esmer)
1972年、イスタンブール生まれ。ボアジチ大学で社会学を専攻する。
大学卒業後、ヤウス・オズカン(Yavuz Özkan)監督に弟子入りする。国内外の多くのドキュメンタリー映画、特集作品、コマーシャル・フィルムなどの助監督を務め、同時にカディル・ハス大学で映画制作の講義も行った。

彼女の最初の監督作品『Koleksiyoncu/The Collector(収集家)』(2002)は、ローマ・インディペンデント映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。

この作品『OYUN/The Play(芝居)』は、この2月に開催された第17回トリエステ国際映画祭でも最優秀ドキュメンタリー賞を獲得している他、サン・セバスチャンサンパウロ・フェスティバルで最優秀新人監督賞、モンペリエ映画祭でも最優秀ドキュメンタリー作品賞候補に選ばれている。

*1:ニューヨーク、リトルイタリー出身で、トライベッカ地区に20年以上住み着いている俳優ロバート・デニーロが、ビジネス・パートナーであるジェーン・ローゼンタールと組んで創設したこの映画祭は、9・11テロで打撃を受け、復興に邁進するローワー・マンハッタン地区全体へ貢献するものと評価されている。今年2006年は、4月25日から5月7日まで開催された。

*2:アルスランキョイ(Arslanköy)。メルスィンから北西に約60km奥まったトロス山脈中腹に位置する村。